P-Catch は、株式会社クレアテラ,東京大学農学部農芸化学科,東京都農業試験場が平成3,4年度に東京都の産学公共同研究事業の認定を受け開発した、水質浄化用吸リン濾過材です。

その成果に対し、平成6年第六回中小企業優秀新製品・新技術賞を受賞しました。同年に通産省の技術改善費等補助事業に認定され、量産化の研究に着手し、現在量産化できる体制を整えております。

1.成分

二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化鉄が主成分で有害物を含んでいません。

SiO228.16
Al2O323.69
Fe2O320.44
TiO21.17
MnO0.20
CaO1.50
MgO2.27
K2O0.53
Na2O0.49
P2O50.25
SO34.21
強熱減量17.53
成分(乾物質当たり%)

2.粒度

1号2号3号
0.5~1.0mm1.0~1.8mm1.8~20.0mm

3.物理性質

多孔質で、比表面積が大きく、逆洗に対する高い耐久性があります。

真比重 (g・cm-3)2.65
容積重 (g・cm-3)0.75
粒子内孔隙率 (%)40.8
総孔隙率 (%)71.7
飽和透水係数 (m・s-1)4.1×10-3
逆洗崩壊率 (%)7.9
比表面積 (m2・g-1)107

4.安定性

重さ2.5kg の金属製ランマーを10cm上から15回落下。2.00㎜以下への崩壊物は10%以下であった。
2ヶ月間通水しても容積の変化はほとんどない。一日1回、10分間バブリングの場合には1年間しても破壊率が10%であった。

5.化学性質

陽イオンと陰イオンの吸着能力を同時に有し、特にリン吸着能力が高いです。

pH(H2O)リン酸吸収係数
(g P2O5・kg-1)
陽イオン交換容量
(mmol・kg-1)
陰イオン交換容量
(mmol・kg-1)
5.682.012829

6.微細構造

表面は凹凸で、1~5μmの微粒子が集合しています。

7.吸着能力

低濃度から高濃度域にわたってよく吸着します。
吸着量は8.1~22.3g P・kg-1です。

8.各種形態のリン吸着

リン酸、亜リン酸、トリポリリン酸が24時間後に
ほぼ100%除去されました。

9.吸着速度の影響

空間通水速度を遅くすると、リン吸着量が増えます。

 10.pHの影響

pH5~9でリン酸、亜リン酸、トリポリリン酸の吸着に影響はありません。

11.酸性およびアルカリ性条件下でのリンの吸着除去

イオン濃度
(mg・L-1
リン濃度
5.0mg・L-110.0mg・L-1
AsO43-5.099.698.8
10.095.097.0
SiO42-50.096.396.7
100.091.188.9
F-10.099.799.9
20.099.2100.0
Cl-100.099.799.9
200.099.7100.0
SO42-100.099.099.5
200.099.599.5

河川、湖沼に使用する場合、リン吸着に対し、それらの共存イオンの影響は殆どありません。

P-Catch はリンを吸着除去するほかに、水中のフッ素,砒素,セレン,亜鉛,鉛,銅などの重金属元素イオンも吸着除去できます。