調査・管理が必要な場所

芝生が利用される場所・場面は多いが、特に、美しく・気候に対して強健で、1年中緑に被われる必要のあるスポーツフィールドについては、 調査の事例が多い。ゴルフ場、サッカー場、テニスコート、野球場、競馬場などはプレイヤーが芝に対し大きな負荷をくわえる。 また比較的大面積である。従って、維持管理に費やす努力は大きくなる。

調査の目的

・ 地域気候に応じた芝種の選定(生育適温、耐寒性、耐暑性、耐乾性などを考慮し選定)

・ オーバーシーティングのための芝種の選定(冬の寒冷な時期でも青々としたフィールドにするため)

・ 土壌条件の設定(健全で強健な芝を維持するための土壌条件を設定する必要がある。 スポーツフィールドでは通常、何種類かの条件において試験植栽を実施する)

・ 施肥、病虫害予防の計画策定(芝はデリケートなため耐えず病虫害に備えること が必要)

・ 通年のデータを蓄積することで季節的な対応など独自(地域・芝種に適した)の維持管理対策が立てられる。

調査の流れ(芝種の選定から育成管理まで)

気象データの解析

対象地の標高、月平均気温、最高・最低気温、月平均降水量など気象データの解析

芝種選定

地域の気象状況、スポーツの種類、シーズン期間の気象、利用頻度などから芝種を選定

土壌条件設定

入手可能な土壌<主に砂が多い>の性状と、求められるグランドの硬さ、良好な排水性の確保などを考慮にいれ設定

植栽試験

芝種の組み合わせ、土壌条件設定など関連付け主に以下のものを試験する。
1. 活力度調査(緑比率、光合成活性度の測定)
2. 生育量調査(草丈の伸長量、茎葉の密度、重量など測定)
3. 障害性(耐踏圧性、病害、虫害、雑草の繁茂)
4. クオリティ(利用者にとってのクオリティをボールの弾み、転がり、芝の牽引力などから評価)
以上の試験結果から、最もよい組み合わせを採用する。

造成

造成時の気象条件に留意し必要な対策を講じる。

初期管理から育成管理

降雨、温度、朝露などに注意し生育量、活力度をみて刈りこみ、施肥を実施する。特に最初の夏はそれまでに十分な環境抵抗性を持たせることが重要で冬の施肥、春の施肥、梅雨時期の病虫害対応が重要。 試験植栽時に行った調査を継続的に実施。