土壌調査や土壌分析結果から、植栽対象地の土壌に問題があり、土壌改良が必要な場合や、土壌の安全性を確認することがあります。この時、実際に現地の土壌を用いて植物を育成し、一定期間、生育状況をモニタリングすることで、最適な対策を検討します。

 これらの植物試験では、野外で実際に現地土壌を改良し、樹木を植栽した試験区を設置する場合と、室内においてコマツナなどの種子を播種し植物の成長をモニタリングする幼植物試験があります。

試験区を用いた植物試験

 広域公園など規模の大きい緑地を整備する場合、植栽本数も多く、土壌改良コストも大きくなります。この時、健全な植物の生育を保ちつつ、施工コストも最適にする必要が生じることから、数種類の土壌改良や施工手法によって試験区を造成し、樹木などの植物生育をモニタリングし、最終的な施工手法を検討します。

露地植えする場合

試験区の造成
緑化樹木の植込み試験区設置

植栽ポットを用いる場合

改良土壌の作成
ポットに土壌充填し植物を植込む

生育モニタリング

 植物生育モニタリングとしては樹高や幹周といった規格の肥大生長とともに、葉色やクロロフィル量、水分ストレス調査等の生理調査を行うことや、最終的には根系伸長量や、地上部と地下部を解体し乾燥重量などを計測することも考えられます。

葉色調査
蛍光クロロフィル調査

 花卉などの施肥設計を検討する場合には、上記に加えて植物中の窒素、リン酸、カリウムのほか、鉄などの微量要素についての養分吸収量なども評価項目となります。

鉄欠乏により葉脈に緑がのこり
葉脈間が黄化する

環境モニタリング

 植栽試験区のほか、希少植物などの生育地において現場で随時環境をモニタリングする場合には、気象計測や、土壌水分などをモニタリングします。

室内における幼植物試験

 特に、試験期間が短い場合や、土壌や潅水用の水などの安全性を確認するために行うことがあります。これは植物を育てて発芽から成長量を測る幼植物試験と、土壌などから抽出した溶液を用いて発芽状況のみ観察する試験があります。

幼植物試験

発芽状況
播種後30日

発芽試験

 主にたい肥、土壌、水の安全性を確認するために行うことがあります。

たい肥や土壌については、供試体に含まれる成分を強制的に水中に抽出するため、熱水で抽出します。

シャーレにろ紙を敷き、抽出した溶液をしみこませます。ここにコマツナなどの種子を播種し、一定温度、湿度で管理し、発芽率(発芽した数/播種した数)を確認します。

抽出液による発芽試験の様子