植物にも、人間や動物と同じように流行病も発生します。流行病は広域で発生が確認され特定の種に大打撃を生じてしまう物から、極めて狭いエリアで流行している物まで様々であり、その対策も国家レベルで行う必要のある対策から緑地単位での小規模な対策まで様々です。
樹木に被害をもたらす昆虫の被害も温暖化の影響や交通網の発達に伴い、これまで我が国に生息していなかった種の侵入や定着が多く確認され、被害の拡大速度も以前に比べ急速に拡大する傾向が見られるようになっています。
株式会社クレアテラでは、樹木をはじめとする植物の生育障害について、特定の病原菌や害虫による被害であるか専門のスタッフや必要に応じて専門の研究機関と連携して検査を行います。
プラムポックスウイルス:PPV(ウメ輪紋ウイルス病)
サクラ属prunus属(サクラ節を除くウメ、モモ、スモモ、アンズ、ネクタリン、オウトウなど)、セイヨウマユミ、ナガバクコ、ヨウシュイボタの生植物に感染するウイルス病。農林水産省が2010年より緊急防除に係る省令を発動し、防除を行っている。
弊社ではLUNP法による蛍光DNA検査により検査をお請けしております。
ナラ枯れ病
ナラ類、シイ類、カシ類に発生する病気。カシノナガキクイムシが媒介するナラ菌に樹木が感染することにより枯死に至る病気です。
度々大規模な島枯れとなりひどい場合は山ごと枯木が発生する場合もあり、環境に与えるインパクトはかなり大きいものになります。
弊社では、樹木医による現地調査を中心にカシノナガキクイムシによる被害かどうかの確認および防除対策のご提案まで行っております。
マツノザイセンチュウ病
マツノマダラカミキリムシが媒介するマツノザイセンチュウが原因で起こる松枯れ病。
「松くいムシ」とも呼ばれ、全国の松に集団枯損等の甚大な被害が発生している。現在では、マツノザイセンチュウ病に罹病しにくい抵抗性クロマツ等の生産技術も進んでいるが、現在でも被害は各地で見られる。
ベルマンセンチュウ抽出法による顕微鏡検査、LUMP法によるマツノザイセンチュウのDNA検査どちらにも対応しております。
【クビアカツヤカミキリムシ】
中国、台湾、朝鮮半島、ベトナム北部などが原産の昆虫であり特定外来種に指定されたカミキリムシ。サクラ類、オリーブ、カキハコヤナギ、ウメ、モモ、ザクロ、コナラ、ヤナギ類等さまざまな樹木への加害の可能性がある昆虫であるが特に近年、サクラ類への穿孔被害による樹勢低下もしくは枯死が各地で問題となっている。
弊社では、樹木医による現地確認の他、発生したフラス等を検体としてリアルタイムPCR検査機を用いたDNAの検出検査に対応いたします。
【白紋羽病菌】
根元に白色菌糸が絡み付き、根部を犯す。地上部に葉の萎凋がで始めるころには手遅れの場合が多い。多くの花木、果樹に感染し、サクラ、クワ、チャなどにも感染する。土壌中に粗大で分解未熟な有機物(枯れた根など)があり湿潤な環境であると発生しやすいといわれている。白紋羽病菌は、右写真のようにひょうたん型のこぶがあり、顕微鏡にて確認できる。
随時検査を受け付けております。
【ナラタケモドキ病】
ハラタケ目タマバリタケ科の土壌病害菌。特にサクラ類やケヤキ等への被害が多い。根株の腐朽被害に加え、病原性(寄生性)が強く樹勢低下や枯死に至る事も少なくない。本菌が原因で樹木が枯れた場合、対策をしない場合、植え替えを行ってもまた枯れるといった事が続いてしまう。
この菌が病原であるか簡単に見極めるには子実体(キノコ)を見つける事であるが、キノコは発生から10~14日程度で黒く縮れてしまうため発見が遅れることも多い。
【植物寄生性の土壌センチュウ】
植物の根に寄生する土壌センチュウは、植物の
根などに体ごと、体の一部などを侵入させ、口針
(写真矢印)により、養液を吸収する。このような
活動により、植物の根がこぶ状になったりすること
からネコブセンチュウと呼ばれるセンチュウもある。
植物寄生性のセンチュウ密度が高くなると、加害さ
れる根が多くなり、枯死する場合もある。ジャガイ
モ、ダイコンなどの根菜類や、トマトやアズキのほ
か、花木、シバの根も被害に遭う。
土壌試料よりセンチュウを抽出し、顕微鏡検査に
より確認を行います。
【マイマイガ】
世界の侵略的外来種ワースト100に選定される害
虫で、幼虫は,多くの広葉樹やカラマツやイネなど
100種類以上の植物を食害されるといわれている。
日本に生息するマイマイガはアジア型マイマイガ
と呼ばれ、船舶の航行や輸出入貿易に障害が生じて
います。
現地でのフェロモントラップの設置による捕殺に
も応じております。